デジタルイラストを描くときは
ペンタブレット(ペンタブ・板タブ)で
描くことはよく知られています。
しかし、
今では液晶ペンタブレット(液タブ)という
画面に直接ペンを載せて絵を描くタイプの
ペンタブを使用する人が急増しています。
様々な液タブが販売されていますが、
その中で共通した使い方を中心に取り上げます。
今までペンタブ(板タブ)を使っていて
板タブと液タブの違いが分からない人や、
液タブやデジタルイラスト初心者で、
そもそも液タブをどんな風に使うのか
分からない人は参考にしてください。
Cintiq 13HDをはじめとした
ワコムの液タブが一番売れているので
ワコムだけの使い方を紹介する部分もあります。
板タブ(ペンタブ)と液タブの違いとは?
液タブと板タブの詳細な違いについては
別途記事でまとめてあります。
違いを詳しく知りたい場合はそちらを参照してください。
液タブと板タブの違い(詳細版)
では、
ペンタブについて簡単におさらいしましょう。
ペンタブレット(ペンタブ・板タブ)は、
タブレットという板状の装置を
専用のペンでなぞることで
モニターのカーソルを動かす入力装置です。
筆圧や傾きを検知できるペンタブもあり、
実際のペンのように動かせるので
デジタルイラストには最適のデバイスです。
ペンタブの特徴は
ペンを動かす場所と見る場所が違う点です。
それまで紙に描いていた人や
デジタルイラスト初心者は
かなりの違和感を抱きやすいです。
人によっては慣れるまでに半年かかったり、
時には慣れることができずに挫折する人もいます。
板タブで代表的なペンタブレットは
ワコムのIntuos Proです。
一方、液タブとは、
液晶画面に直接ペンを当てて、
そのままそこに線が描画されるペンタブレットです。
見る場所と線を描く場所が
完全に一致しているので、
紙に描いている感覚に近くなります。
そのため、慣れるまでの時間が短いです。
代表的な液タブはワコムのCintiq 13HDです。
また、
今ではiPad ProやSurfaceのような
ごく一般のタブレット端末でも
絵が描けるようになっています。
液タブのイメージとしては、
タブレット端末に絵を描いているのと同じ感じです。
基本はマルチモニターとして使う
液タブは液タブ単体では機能しません。
デスクトップ型のPCでのモニターを
PC本体に繋げないと何も映らないのと同じで、
液タブもPC本体やノートPC、mac等に
接続しないと使えるようにはなりません。
つまり
液タブは単なるモニターでしかないのです。
イメージ的には
液タブをPCに繋ぐと液晶モニターが
もう一つ追加されるイメージです。
メインモニターにあるウィンドウを
横にマウスでドラッグしてみると、
追加されたモニター(液タブの画面)の方に
移動してくるのが分かると思います。
つまり液タブを使用すると
基本はマルチモニター環境になるのです。
基本的には液タブの画面を見て絵を描きます。
イラストの全体像を別ウィンドウに表示して
メインモニターで表示し、
詳細部分を液タブの画面に映して
描き込むといった使い方が一般的です。
ちなみに、
ワコムのCintiq Companion2のように
PCなしでも液タブだけで動く物もありますが、
値段が高い割にはスペックがやや貧弱なのがネックです。
また、
普通のタブレット端末でもイラストが描けるので
絵かきの道具を1台で済ませたい場合は
タブレットという選択もありだと思います。
ただ、タブレットも弱点はあります。
値段はともかくスペックが貧弱すぎるんです。
線画だけならまだしも、
レイヤーを何枚も重ねたりする場合は
かなりもっさりする場合が非常に多いです。
古いドライバはアンインストール
以前にペンタブや液タブを使っていた場合は、
そのドライバは必ずアンインストールして置いてください。
他の液タブのドライバ同士が競合し合って
正常に動かない可能性がありますし、
実際にその報告がされています。
液タブとパソコンを接続する
液タブをPCやノートPCなどと接続するには
通常はケーブルを使って繋げます。
入力端子はHDMIだったり
DVIだったり製品によりまちまちです。
Cintiq 13HDはHDMI。
Cintiq 22HDはDIV。
Cintiq 27QHDはDisplayPortとHDMI。
ワコム製品以外ではD-Sub(VGA)の場合もあります。
PC側に対応した入力端子がない場合は
変換ケーブルが必要になります。
ワコムの液タブには変換ケーブルは付属していません。
市販の変換ケーブルを使えば
変換できるので心配はいりません。
PC側に入力端子が二つあれば
それまで使っていたメインモニターと
液タブを二つ接続して
マルチモニター環境を構築できます。
入力端子が一つしかない場合は
液タブだけを接続することになります。
その場合は、液タブが
メインモニターの役割も果たします。
最低でも入力端子が一つあれば
液タブは使えるということです。
液タブでのペンの使い方
液タブのペンも板タブと同じような使い方をします。
ペンを液晶パネルから少し離して動かすと
画面のカーソル(ポインター)が動きます。
線を描くときは
ペンをパネルに接触させて動かします。
強く押し当てると筆圧が強い状態を作り出せます。
ペン先でコンと一回タップするとクリックで、
二回タップするとダブルクリックになります。
また、
傾き検知できるCintiqシリーズでは、
ペンの傾き加減によって線の太さや向きを変えることができます。
ペンにはサイドボタンがついていて、
右クリックや他の様々なショートカットキーを
割り当てることで作業効率が向上します。
ペンは消耗品です。
液タブのペンも使っていると
ペン先が削れてきますので
削れてきたら別売りのペン先と取り替えます。
ファンクションキーを使って作業効率アップ
ファンクションキーとは
液タブの横などに配置されているボタンで、
ショートカットを割り当てて使うことができます。
たとえば、
拡大、縮小を割り当てることで
わざわざメニューから選択しなくても
ワンタッチで拡大縮小ができるようになるため
作業スピードが飛躍的に上がります。
液タブにはスタンドが付属している
(画像はCintiq 22HD)
液タブのサイズが一定以上の大きさになると
液タブを立てかけるスタンドがついているのが一般的です。
スタンドの角度を調節することで
自分の描きやすい体勢で描くことができるようになります。
角度を段階調節できるタイプと
シームレスに調節できるタイプがあります。
Cintiq 13HDは3段階調節で、
Cintiq 22HDはシームレスに調節するタイプです。
また液タブのスタンドには
横回転に対応した物もあります。
このタイプのスタンドは
Cintiq 22HDなどのちょっと大きめのサイズの
液タブで採用されることが多いです。
スタンドを使うと
かえって描きにくい場合もあります。
たとえば、
紙に描く場合と違って
腕を浮かせて描くことになるので、
腕や肩が疲れてくることもあります。
また、
Cintiq 13HDなど13インチ程度のサイズでは
体重のかけ具合や筆圧の強さによっては
スタンドの前の方が浮いてしまうこともあります。
そのせいもあって
スタンドを敢えて使わずに
膝に載せて絵を描いたり、
平らなところにぺたっと置いて
紙のように回転しながら描く人もいます。
マッピング画面切り替え機能とは?
ワコムの液タブ限定の話題になりますが、
Cintiqシリーズには
マッピング画面切り替え機能が搭載れています。
マッピング画面切り替えは、
ボタン一つで液タブだけで
モニター全部を操作したり
操作するモニターを切り替える機能です。
液タブの画面だけで
他のモニターの画面にあるウィンドウなどを操作できます。
マッピング機能が分かりやすい動画があります。
設定によっては
メインモニターに完全対応させれば
普通のペンタブ(板タブ)として使うこともできます。
液タブはワコム製品が有名ですが
HUIONなどの海外メーカーも安価で人気があります。
そのどちらも
使い方の基本は同じです。
ワコムの液タブや海外メーカーの液タブで、
おすすめできるものを集めて
詳細に比較した記事もあるので、
良かったら参考にしてください。